岩盤浴とサウナの違いについてきかれることが良くあるので、今回は岩盤浴とサウナでの汗の質の違いを中心に違いをお伝えしたいと思います。
汗の質の違いでいえば、大量の汗を短時間で出せるのはサウナですが必要なミネラルの消失も多い。
岩盤浴では必要なミネラルの消失が少なく、有害ミネラルの排出が多い。(実際に岩盤浴で有害ミネラルが減るのかを検証しました)
という話しになるのですが、まず、一般的なサウナと岩盤浴での身体の温まり方の違いについてお話ししましょう。
「表面から熱くなる」か「深部が温まる」か
テレビなどでサウナと岩盤浴に入っている状態を比較したものを見た方も多いと思いますが、
サウナでは、まず皮膚の温度が急激に上がり、皮膚表面の温度が上がっても、体の深部(芯)はなかなか温まってきません。
ところが、岩盤浴では、遠赤外線の働きで、皮膚表面と、ほぼ同時に体の深部の温度も上がってきます。
この「表面から熱くなる」か「深部が温まる」かで汗の質が違ってきます。
汗をかけと指令するのは脳ですが、温度センサーは、皮膚と脳とにあり、外気温の急激な変化には皮膚温を感じて対応し、体の恒常性を保つためには、深部温の変化を感じて対応して、汗をかくように指令します。
汗の出方と汗の質の違い
サウナでは、皮膚のセンサーは高温を感じますが、深部の温度はなかなか温まらないので、皮膚温からの指令が優先されるため、一気に大粒の汗をかきます。
短時間で大量の汗が出せるのは岩盤浴よりサウナなのですが、そのような大粒の汗には、ナトリウムなどの血液の中の大切なミネラル成分も多く出てきます。
通常は一度汗腺で作られた汗は、体外に分泌されるまでの導管の部分で、塩分などが再吸収されのですが、汗の量が大量になるとその再吸収が追いつかなくなるのです。
ですから、サウナで大量の汗をかいた後はシャワーを浴びないと気持ちが悪く感じやすく、また、ミネラルが失われると疲労感も出やすく、熱中症なども起こしやすくなりますので、この辺りは岩盤浴よりも少し注意が必要です。
岩盤浴ではどうかと言うと、サウナの温度は通常80度以上なのに対し、40度~45度程度と比較的低めなため、岩盤浴でかく汗は、脳の温度センサーからの指令で、体の深部の温度をじっくりと調節するための汗になります。
そのため発汗も緩やかになり、入浴して20分を経過したころに、「いつの間にか汗が出ていた」と感じる方が多くなります。
必要最小限の汗が効率よく出るため、必要なミネラル分は再び血液中に吸収されて、水に近いサラサラとした汗になります。
そのため、岩盤浴後は発汗してもべたついた感じがなくすっきりとしているのです。
また、遠赤外線のおかげで皮脂腺からの分泌が盛んになり、皮脂腺からの有害物質の排出も多くなるそうです。
実際に岩盤浴で有害ミネラルが減るのかを検証してみましたその結果、有害ミネラルが減っているのを確認できました。
(有害物質は主に便として排出されますが、PCB、DDT(農薬)、ダイオキシンなどは体内で分解もされず脂肪に蓄積されとても長い期間体内にとどまるため皮脂からの排出が重要になるそうですので、そういう面では岩盤浴のほうが圧倒的に優れていると言われています。)
今回のお話は、サウナの方が短時間で大量の汗を出すことができますが、岩盤浴の方が身体の深部が温まることで、必要なミネラルを無駄にしないサラサラの汗が出て、それでいて有害金属の排出は多く、疲労感が少ないというお話でした。