高齢者の転倒の多くは自宅で起きていますが、自宅で転びやすい場所のランキングをご存知でしょうか?
内閣府の高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果によると、
- 庭
- 居間
- 玄関
- 階段
の順で多いようです。
データは平成22年の物ですが、2062人の60歳以上の方で一年間で自宅で転んだことのある人は9.5パーセントで、85歳以上では19.4%の方が転んでいたそうです、健康状態が悪い人のほうが転んでいます。
健康状態が悪かったり、年齢が高い方ほど転倒しやすくなるのはわかるのですが、性別にみると男性(6.8%)女性(11.8%)で女性の方が転ぶ割合が高くなっているようです。
自宅で転倒した人の中で、怪我をしなかった割合は 33.3%で、転倒した人の3人に2人が怪我をしていることになります。
怪我をした割合にも男女差があって「けがはなかった」男性は44.8%、女性は27.3%となっていますから、女性の方が転びやすく、転んだ時に怪我をする割合も高いという事でしょう。
さらに、1度だけ転んだ人が5.6%、複数回転んだ人が3.8%ということですから、転んだ人のうち約4割がその年のうちに複数回転んでいることになります。
転倒した人は1割程度、1度転んだ人が複数回転んだ割合が4割ですから転びやすい人がいるという事が良くわかります。
また、実際に患者様でも、転ぶことが多い方というのは何度も転んでけがを繰り返す傾向はあり、普段の行動や運動などを改善して、転びやすい状態から抜け出すことを考えてみると良いと思います。
転ばないために
とっさの一歩が出るように、大きく足を踏み出す練習をしたり、片足立ちの練習をしたりすることを習慣づけたりすることも予防に役立ちそうですが、
実際に転んだ場所を見ると、転びやすい場所や傾向というものがわかりますので、予防の努力ができそうですね。
転んだ環境も自宅内が多いわけですから、一度転んだ場所では注意する事、原因となったものを取り除くことなどの対処はできます。
具体的には、
- 滑りやすい床やスリッパなどの室内履きへの対応
- 床に物を置かない
- コードは壁に寄せて固定する
- カーペットやマットなどの縁を止める
- 暗い状態で階段を使わない
- 必要な場所には手すりをつける
などの対処が転倒の予防に役立ちそうです。